サンゴ再生への取組み

2005年、微弱電流とサンゴの関連性を調査・研究するため、東京大学、日本防蝕工業株式会社、株式会社シーピーファームとコンソーシアム(GMCコンソーシアム)を結成し、共同研究を開始しました。浮桟橋に生育するサンゴのモニタリングを継続するとともに、電流の強さの異なる実験用のサンゴ生育棚4基を、石垣島の沖合約700mの海域(通称 ウニ礁)に設置しました。

2009年、素焼きタイルと電着基盤の稚サンゴの着床試験を実施し、電着基盤の稚サンゴの着床率が素焼きタイルの約7倍の効果があることを実証しました。また、室内試験において、微弱電流がサンゴの生体内代謝および成長促進に効果があることを実証しました。この研究成果は、審査付論文として、土木学会、東アジアサンゴ礁学会に投稿・発表しています。

2016年、沖縄近海で発生した記録的な高水温がサンゴに大打撃を与えました。特に、我々の実験フィールドである石垣島近海の被害は深刻で、環境省発表では、石西礁湖(石垣島―西表島の間の海域)のサンゴの7割が死滅しました。
この頃、サンゴの人工養殖を本格化する目的で、名蔵湾内の海域にサンゴ生育棚を12基設置致しました。

2018年、沖縄海域以外の長崎県高島町で、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社のCSR活動に賛同し、サンゴ生育棚による高島プロジェクトを開始しました。名蔵湾・ウニ礁に続く3個所目の実海域の実験サイトが誕生しました。当初はサンゴ生育棚2基からスタートしました。そして、2020年、クラウドファンディングにて1基が追加され、2023年度には、さらに5基追加設置する予定です。

長崎県高島での取組は、高島町におけるエコツーリズムにも貢献が認められ、2020年に高島で活動している地域おこし団体のやったろうde高島、ソニーセミコンダクターマニュファクチャリング(株)とGMCコンソーシアム共同で環境省 第15回パートナーシップ賞を受賞しました。